ジャガーになった男

ジャガーになった男

佐藤賢一氏。(実家の隣町生まれの作家さん)
戦いを求めスペインに渡った侍が、現地に生きる人々とそこにある戦争に翻弄されつつも芯のある骨太な生き方に果てる作品。とはいいつつも女性の魅力にけっこうフラフラしてますが。氏は本格西洋歴史小説という境地を切り拓いてるらしいんだけど、その中において今のところ唯一の日本人が主人公の作品だとか。
しかし作家の処女作ってやっぱりパワーがありますよねどれも。
読んでよかったと思えた骨太な作品でありました。
さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)

さよなら妖精 (ミステリ・フロンティア)

90年代初頭、高校生だった主人公達の元に現れた外国からやってきた少女をめぐる物語。米澤 穂信は三冊目ですが、殺人事件のような大きなものではなく生活する上でのちょっとした謎を解く小市民的推理物語はこの本でも健在。しかし物語冒頭からラストまでをつなぐ謎の行方は・・・正直うるっと。
好奇心旺盛で、しかしその何事をも吸収する姿勢の根源となるものは祖国のためであり、でもその嬉しげな態度はやっぱり彼女自身の性格に由来してるんではないかなぁ、ってところがなんとも。
酸素は鏡に映らない (ミステリーランド)

酸素は鏡に映らない (ミステリーランド)

表題にはありませんが、ブギーポップ関連の作品でした。いいのかなぁ書かなくて。
出てくるのオキシジェンとカレイドスコープとあの頭いい女の子。とダイアモンズの残党。
目を見張るような特殊能力もなく派手な展開もありませんが、やはり上遠野先生の作品でした。(いいのかこの感想で)