僕が買ったのは寺田克也氏イラストの新装版だったのですが、書影がなかったのでこっちを記載。
押井守氏といえば世界的に有名な映画監督ですが、氏が書く脚本も難解この上なく、しかしなんだか納得させられてしまうという超脚本。一件本筋とは離れているように見える語りを延々と続けまくるという一見さんお断りなその手法は小説にもおいても健在。終盤はソファに座った二人の男が高校生の主人公一人を置き去りに延々と語りまくるというぶっとび展開。それでも読ませるというのは、本筋がしっかりしてる上にその語りが本筋に強固に根ざしていることでありましょう。
男たちの語りが事件の裏に深みを与えていくその感覚がたまりません。
ちなみに語りそれ自体が気持ちがいいテンポであるってこともあるのかしらん?さすがは押井守氏……。