ワンダと巨像

先日クリアしたワンダと巨像、文芸のゲームのえらい人に感想の発破かけられたのでゴゴーゴー。

概略を述べますと、ワンダが少女を生き返らせるために巨像を殺しまくる話。シンプルすぎた。


ICOの時でも思ったけど、やっぱり「見つけていくゲーム」なんだということ。

アクションに関しても、説明書には必要最低限のアクションしか書かれていず、巨像を効率よく攻略するためのテクニックはゲームの中で見つけるしかない。(でもネットで見つけちゃったりもしちゃうという)
隠されたテクニックを見つけ、それを応用、既存のテクニックを組み合わせることによって更なる新しい戦略を発見することができる。
そこに爽快感がありました。


巨像を探すにも、剣の反射光によって大雑把な位置しかつかめない。遺跡を中心とした広大な荒野は、人間一人には余りにも広すぎる。光の指すままに走っても行く手には岩山や断崖が立ちはだかる。
目指すべきものを見つけるために頭を絞って走り回って、やっと巨像に辿りついてもそこから始まるのは、とるかとられるかの殺し合い。見つけた喜びが、そのまま戦いの緊張感に取って代わる。

そしてそこから始まるのは、いかにして巨像を殺す手段を見つけるための戦い。
巨像を倒すためには巨像の体のどこかにある弱点を突かねばならず、そこに至るためにはそれ相応の手順を踏まねばならない。
終盤に向かえば向かうほど、その手順がシビアになっていく(けど、どこに着目すればいいかは段々わかっていく)ので、自然相応のアクションのテクニックも
要求されていく。
ゲージや数値には表示されない成長、というかプレイヤー自体の成長を実感させてくれるシステムであるな、と思いました。
特に上記にもある手順を見つけるための着眼点の成長が、特筆すべき点だと思います。

ちなみにあまりに巨像を攻略する手順が見つからないときは天の声がヒントをくれるというシステムになっており、それまで見つけられるかどうかが勝負。

この世界は、人里から遠く離れた禁域という設定。巨像が16体もいるというのに、荒野はあまりに広漠としていて、孤独感が募る。側にいるのは物言わぬ愛馬アグロのみ。時折いる生物といえばトカゲやら魚やら鳥だけで、哺乳類皆無。
しかしフィールドの各地に点在する森林、湖、古代の遺跡、深く切り立った崖の底に広がる湖といった景観は、人を拒絶する禁域といった趣があります。壮麗な箱庭といった感じ?
深く込み入ったストーリーではないけれど、作り込まれた世界がストーリーに味わいと深みを与えてくれます。


そして肝心のストーリーですが、やっぱりICOを作ったチームだけあって切ねぇ。゚(つД`)゚。
しかし単純なものではなく、ED後に残る寂寞感と救いが、描かれないエピローグの広大さを感じさせてくれたのでありました。


総じて、楽しみました。前作ICOと続けてプレイするとさらに深い感動を味わえますので、ぜひとも。