隠し剣 鬼の爪

を見てまいりました。レイトショーって意外と安いんスね。

藤沢周平の作品を映画化。タイトルから予想できるように時代劇です。
ちなみに、けっこう時代モノ好きだったり。
剣客商売とか竜馬がゆくとか。

さて、感想を言いますと。

おもしろかった!でも映画っぽくなかった!
なにか二時間ドラマを見ているかのような感じでした。
しいて言うなら超・二時間ドラマ。
豪華スタッフを使った劇場版二時間ドラマ。
なんかひどいいいようですが、なんというか内容が映画にありがち*1な歴史の機転とか門外不出の流派の使い手が大暴れとか壮大なラヴとかそういうんじゃなく、普通の藩内一二を争う剣術の使い手が元使用人(女)が苦しんでいるので噂が立つのを構わず助けたり、侍の生き方に迷ったり、藩命に苦しんだり、元使用人(女)との関係に悩んだりするフツーの話。
舞台が東北なので登場人物のほとんどが東北弁を話し、主人公の実直な性格も相まって、全体的にほのぼのとした空気が流れております。
引いた襖がこすれる音とか、衣擦れの音とか、和紙に透かされたろうそくの火の色とか、そういう「和(ただし生活的な)」部分の演出が強調されてるように感じ、なんとなく日本人ノスタルジィ。
随所にコメディテイストな笑いどころもあったり。
しかし上記のようなほのぼの感が、タイトルの隠し剣 鬼の爪を象徴するシーンを浮き立たせていたのですよ。いやぁ、あれはシビれた。

・・しかしこれは劇場で見なくてもいいんではないかなぁ、と思います。
部屋でまったり見るのがいいかも?と俺は思います。


・・・ついでに言いますと、舞台が東北と書きましたが、ぶっちゃけ故郷・庄内ですた。さらに言えば、あの武家屋敷は隣の市にあるものだったのでは・・。鶴岡でしたよ。
んで、庄内弁聞いた瞬間「ああー、庄内だよー」と思いました。
「めじょげね」なんて言葉も出てくるし。ちなみに「かわいそう」の意。
ふるさとの言葉ともあって、微妙なイントネーションなどが気になったり、「あれ?こんな風に言うんだっけ?」なんて思ってもみたり。
やっぱり山形はほのぼのとかそんなイメージなのだろうか・・・花のお江戸の釣りバカ日誌の舞台も故郷だったし。あ、スウィングガールも山形か。

みなさん、時代は今山形がホットですぞ!

・・・ということはあの山並みは出羽山脈だったのかなぁ・・?(内輪ネタ)

追記

この話は侍の話ではなく、一人の実直な男が、侍であることに迷う話なのではないか?ということを書くのを忘れてました。


再追記

はてなリンク辿ったら、藤沢周平が故郷の隣町出身ということに気付く。松本清張と勘違いしてた。


ちなみに主演の永瀬正敏氏も好きな俳優の一人です。
個人的にはステレオフューチャー*2が好きなんだけどねぇ。

*1:ありがち、つってもそれが映画ならではとも言える

*2:『RED SHADOW赤影』の中野裕之監督作品。“SF”をキーワードにした4つのエピソードが交差するピースフルストーリーを、永瀬正敏扮する圭介を軸に描いていく。桃生亜希子麻生久美子竹中直人風間杜夫等が出演。「SFサムライ・フィクション」の中野裕之監督が贈る、4つの“SF”のエピソードを織り交ぜながら、売れない若手俳優を巡る人間模様を描いたピースフル・ストーリー。アマゾンの紹介文よりコピペ